製造物業者の責任

製造業者が、自ら製造、加工、輸入又は一定の表示をし、引き渡した製造物の欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、過失の有無にかかわらず、これによって生じた損害を賠償する責任があります。
製造物は「製造又は加工された動産」と定義されております。一般的には、大量生産・大量消費される工業製品を中心とした、人為的な操作や処理がなされ、引き渡された動産が対象となります。(不動産、未加工農林畜水産物、電気。ソフトウェア等は該当しません。)
また、「製造者等」とは、製造業者・輸入業者・表示製造業者及び、実質的に製造業者と認められる者、つまり、製品の製造を自ら直接行っていない輸入やOEM及び改造や用途転用した場合であっても「製品への表示」の在り方で、「当該製造物を引き渡した時から10年」の責任期間が生じます。ですからPL表示対策は、実際に設計や製造ましてや検査・試験すらしていない物であっても製造物責任法の『製造者等』に当てはまり、「いつ何が起きるか判らないトラブルに巻き込まれる」かも知れず、それなりの責任が生じることなのです。

製造物業者の免責

製造業者等の免責事由や賠償請求期間の制限について、次のように定められています。
損害賠償請求権は、被害者が損害及び賠償義務者を知った時から3年の間に賠償請求を起こさなければ、時効となります。
また、その製造業者等が製品を引き渡した時から10年が経過した時も同様に賠償請求はできません。
ただし、潜伏期間を経て被害が生じるような製品事故については、製品引渡し時ではなく、損害発生時から10年の責任期間が設定されています。
なお、PL法での責任期間が切れた後も民法の基で責任が追求される可能性があります。
また、損害賠償請求裁判において、製造業者製品の欠陥の存在、欠陥と損害との間の因果関係については、被害者側に証明責任があります。
間違いやすい点です。

製造物業者の主たる事業所

製造業者訴追にあたっては「其原因タル事実ノ発生シタル地ノ法律」が準拠法になるのかどうかに、争いがありました。
しかし、この製造物責任法で、市場地である「被害者が生産物の引渡しを受けた地の法」によることと定められました。
例外として、生産物が転々流通するなどして通常予見できない地で引渡しがされた場合については、「生産業者等の主たる事業所の所在地の法(生産業者等が事業所を有しない場合にあっては、その常居所地法)」による。との決定も書き出されました。
◎被害の救済相談窓口
製品関連事故による被害の救済については、企業の消費者相談窓口や民間に設けられている各種の相談窓口のほか、国、地方公共団体の窓口及び国民生活センター、製品安全協会、各地の消費生活センター等で相談を受け付けています。

Copyright © 2007 製造業者 責任・免責・準拠法